Widow Emily エミリーおばさんと９匹のネコ Zenyoji

2014-11-13

エミリーおばさんと一緒に暮らす９匹のネコの物語。
シリーズを予定。タマちゃん以外はみんな《もらいネコ》。
それぞれの事件と、エミリーおばさんの恋の想い出のお話です。

エミリーおばさんは、9匹のネコたちと暮らしています。

おばさんは毎日、午前中を編み物をして過ごします。
9匹のネコたちも、エミリーおばさんと過ごす
その時間が大好きです。

そんなある日の静かな午前。
エミリーおばさんがお茶を淹れにキッチンへ行くと！

カリカリが4粒落ちているのを発見しました。

「おや〜？」
4粒のカリカリをたどると開いた戸棚。

……中には新しいカリカリ袋がしまってあります。
エミリーおばさんは中を調べてみました。

すると新しいカリカリの袋が、小さく食い破られていました！

しかも、裏側が!!

「う〜ん、この仕事……。
この歯型は……ダレ？」

「ダレがやったの!?」って言ったら、
犯人はいちもくさんに逃げるはず！

ネコは怒られるコトを知っているから。

タマちゃん、シチさん、ボンちゃんは犯人ではありません。

「あなたたちは、いいこね」
犯人は逃げた６匹の中にいます。

「う〜ん」
逃げた中でも、
マジローとミタラシくんは、
機転がきかないから犯人ではありません。

それからターマックも犯人じゃありません。
キバが1本しかないから、袋を破れないんです。

怪しいのは残りの３匹のうちの誰か。

「う〜ん」

エミリーおばさんは3匹をじっと
観察しました。

バットさんは、バットマンに似ているけど、悪さも天才的です。

プライドも高いので、悪さの後は反抗的になりますが……？

試しに抱えてみると、何かくれるのかもと、ワクワクしています。

ほら、身体が伸びてるでしょ？
緊張してない証拠です。

黄色と黄緑の目をもつマーマドーレは悪知恵がききます。
ご飯の時、マジローのお皿をお腹でブロックして、
よけいにご飯にありつく技を使ったりします。

よく怒られるから、
今回もとりあえず逃げた可能性が大です。
どちらかというと、隠れん坊気分で楽しんでいます。

ミタラシくんに次ぐ体重のウシコさん。
見た目によらぬ悪知恵家で、そ知らぬふりも上手だけど……。

おや〜？
顔をなめていますね。

「犯人は、あなたね!!」

エミリーおばさんは、ズバリ犯人を見つけました。

犯人は、ウシコさんです。

ネコは焦ると、冷静になろうとして、顔をなめるからです。

歯にはやっぱり、袋の切れ端がくっついていました。

ウシコさん。
もうやってはいけませんよ。

……たぶん、反省してないだろうけど。


おしまい